
第3回ワークショップでも、いくつも提案された富士山の新しい観光コンテンツ。今回のワークショップでは、コンテンツの実行に結びつくように具体化を深める時間になりました。前半は今までとは少し雰囲気が変わり、富士山の自然を学ぶミニ講義で、参加者の富士山愛を再確認する座学を、後半にグループ別で観光コンテンツの企画書を作成するという構成でした。
開催日:2024年12月6日
場所:人材開発センター富士研修所(富士吉田市)
参加者:23名(含む運営スタッフ)
当日の内容
【富士山自然ミニ講座①】(15分)
「富士山の植物」 講師:中野 隆志さん(富士山科学研究所)
【富士山自然ミニ講座②】(15分)
「富士山の鳥たち」 講師:水村春香さん(富士山科学研究所)
【グループに分かれて企画書作成ワーク】
各グループ、お馴染みとなった富士山と登山道が描かれた模造紙に、観光コンテンツアイデアを付箋で貼っていきました。その中から、1~ 2個のテーマを選び、企画書を仕上げていきます。
この日分かれた3グループから、以下の4つの企画が立ち上がりました。
A:「あの御中道が(たぶん50年ぶりに)限定復活!!」
B:「厳しいぞ!一週間!富士山小屋番体験」
C:「冬の富士山で鳥を味わい尽くす!」
D:「あなたがつくる登山道~奉納ツアー~」
Aは、一周25kmの御中道を1泊2日のツアーに。御中道はかつて富士山を3回登頂した者だけに歩くことを許された信仰の道だといいます。そんな御中道、現在は危険個所があるため完全に一周は出来なくなっているところを、1日だけ許可を取り、ガイドと一緒に歩こうというプレミアムな企画。自然観察にも人気な御中道ですが、3回登頂者のみ参加可能で、富士山信仰の周知につながれば、という思いを込めた企画になりました。
Bは、タイトルのまま魅力と迫力のある企画です。富士山の高標高の山小屋で1週間、小屋番として働く企画。厳しい富士山の環境を骨身で体験、また連泊しないとわからない山の魅力もある。水や電気、資源の大切さも知ってもらえる。企業研修や引きこもりの若者にアピールしたいという。夏のハイシーズンに受け入れたいが、とにかく忙しい時期だから、専属の人員確保が課題。
Cは、富士山の鳥について講義してくれた水村研究員を質問攻めにしながらの企画立案。鳥の観察がしやすい冬のシーズン、富士山観光としてはオフシーズンの貴重なコンテンツとして。ターゲットは、ハイアマチュアと呼ばれる趣味でカメラを楽しむ人のうち、経験が長く、プロ並みな技術や知識を持つアマチュアカメラマン。鳥の種のレア度や場所の貴重さなどを評価するコンテストをする。鳥の写真だけでなく、そこに俳句も併せて作品を作ってもらう。夜には、鳥の研究員と行く焼き鳥ツアーもあるという。文字通り、鳥を濃く味わい尽くす企画。
Dは、富士山の課題のひとつである御師町(上吉田)から馬返しまでの登山道の整備を目的に、一緒にツツジ、サクラ、フジザクラを植樹したり、石畳を整備したりすることで、登山者が少ないこのルートの魅力を伝えると同時に、ターゲットであるインバウンドの人たちに、知られていない本当の富士山に入ってもらえる企画だという。御師の家に泊まる一泊コースと日帰りが選べる。開催は3年後の5月というが、行きは歩き、帰りは空飛ぶ車という発想が面白い。フューチャーデザインワークショップの効果か?まだ空飛ぶ車がなかったら、気球になるそう。

この日の結論
ワークショップも4回目になり、顔なじみの仲間との富士山リアルコンテンツづくりは、とても盛り上がりました。富士山で実際に働く、山小屋メンバー、ガイドが中心になると、こんなニッチなニーズを捉えた企画が出るのかと驚かされました。旅行会社のツアーにはない魅力ある企画ばかり。
富士山と共に生きてきた人々の想いが、これからも富士山と生きていく人々の未来へとつながっていく。当たり前のようで、それは簡単なことではない今の日本。伝統と文化と信仰を抱えながら、共に呼吸をし、生きている山、富士山。富士山を考える会はこれからも富士山と人をつなげるために活動していきます。